
AIIT(産業技術大学院大学)PBL活動で提出する報告書のうち、Q(クオーター)の終了後に提出するSA(セルフアセスメント)の書き方を説明します。
PBL活動では、Q(クオーター)の終了後にSA(セルフアセスメント)を提出します。
SAとは、Q中の活動内容と成果物および学習したことを報告する資料で学習支援システムWeb画面に直接入力します。
週報とは異なり、正確かつ厳密に書くことを求められます。
マンスリーレビューで作成する成果物リスト、毎週作成している週報から4割方流用することができます。
所属PBL
私が参加したPBL(研究室)は以下です。 まとめた内容は私が参加した範囲で見聞きしたものです。報告書の種類やルール、状況は年度や専攻により異なる可能性があります。
- 年度:2019年度
- 専攻:情報アーキテクチャ
- 科目:情報セキュリティ
- 人数:6名
報告書作成の概要
報告書の種類
PBL活動で作成する報告書は以下の通りです。

報告書の作成フロー
PBLで提出する報告書の作成フローは以下の通りです。今回は赤色部分「SA(セルフアセスメント)」について説明します。

報告書の概要
SA(セルフアセスメント)の概要は以下の通りです。

SA(セルフアセスメント)について
SA(セルフアセスメント)の作成
SAはそのQ(クオータ)におけるプロジェクトの目標その他のプロジェクト概要と成果物を報告します。 Web画面に入力して提出、活動内容を詳細に記載する必要があります。 週報をしっかりと書いておけば、成果物や作業内容の部分は苦労せずに書くことができます。

- 作成の頻度:毎学期(= 毎Q)
- 提出先:学習支援システムWebフォーム
- 分量:~120行(5,000文字程度)
- 内容
- プロジェクトの目標
- 活動内容
- 成果物
- 果たした役割
- 活動ハイライト
- 得られたコンピテンシー
- 自分を含めたメンバーの評価
SAテンプレート
SAのテンプレートです。
## 課題に関する説明 - 作成:何某 - 受付終了日時:20XX-XX-XX 00:00 - 再提出:再提出を許可しない ## 問題 ### 説明 情報システム学特別演習1(PBL型科目・前期期)のXQのSelf Assessmentです。締切はXXXX-XX-XX 23:55です。 締切後も提出できますが,締切までに提出してください(提出日時は記録されます)。 ### 問題1:当Qのプロジェクト目標 プロジェクト計画書に記載のプロジェクト目標を書き込む。 数行程度で問題ない。 ### 問題2:プロジェクト目標の達成度 X% 目標の達成度をパーセントで記述する。(主観で書き込むほかない) ### 問題3:目標達成のために自分が貢献した活動内容・役割 「問題1」で書き込んだ各目標ごとに具体的に何をしたのかを書き込む 目標1について~~~ 目標2について~~~ 目標3について~~~ ### 問題4:自分が作成に係わった成果物 Q中の作業と成果物をリストにして書き込む。 【作業1】 ・成果物1 ・成果物2 【作業2】 ・成果物1 ・成果物2 【作業3】 ・成果物1 ・成果物2 ### 問題5:当Qの活動のハイライト(詳細に) 「ハイライト」が何を意味するかは今をもって不明。私が提出した時は苦労した作業を記述した。 【作業1】 この作業は~~~~という内容で~~~という課題が発生し~~~というように対処した。 【作業2】 この作業は~~~~という内容で~~~という課題が発生し~~~というように対処した。 【作業3】 この作業は~~~~という内容で~~~という課題が発生し~~~というように対処した。 ### 問題6:プロジェクト活動を通して向上したコンピテンシー PBL説明会で配布されたPBL説明書に記載のコンピテンシーを元に書き込む。 ### 問題7:プロジェクト活動を通して得られたこと プロジェクトを通して得られてことを記述。 これが「問題6」の「コンピテンシー」とどう異なるかは不明。私が提出した時は感想を書き込んだ。 ### 問題8:メンバの相互評価 #### メンバ氏名の入力 - メンバ1の氏名: - メンバ2の氏名: - メンバ3の氏名: - メンバ4の氏名: - メンバ5の氏名: #### 役割分担(チーム内での役割を果たしたか) - 自分 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ1 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ2 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ3 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ4 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ5 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し #### チームメンバとしての当事者意識を持っているか(自分の役割を精力的に推進し,チーム全体を牽引したか) - 自分 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ1 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ2 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ3 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ4 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ5 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し #### コミュニケーション(チーム内での自分の考えを相手に伝え,相手の考えを聞いたか) - 自分 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ1 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ2 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ3 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ4 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ5 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し #### ネゴシエーション(チーム外とのコミュニケーション・ネゴシエーションが適切に行えたか) - 自分 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ1 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ2 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ3 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ4 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ5 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し ### 自由記述欄 何を記述すべきか不明。 私が提出した時は教員へのお礼の言葉を書き込んだ。
SAのサンプル
日報のサンプルです。記入する際の参考にしてください。
## 課題に関する説明 - 作成:何某 - 受付終了日時:20XX-12-XX 00:00 - 再提出:再提出を許可しない ## 問題 ### 説明 情報システム学特別演習2(PBL型科目・後期)の4QのSelf Assessmentです。締切は2019-02-XX 23:55です。 締切後も提出できますが,締切までに提出してください(提出日時は記録されます)。 ### 問題1:当Qのプロジェクト目標 ・目標1:プログラム1/プログラム2を完成する。 ・目標2:プログラム1/2の発表を行う。 ・目標3:作業を適正な期間に完了する。 ### 問題2:プロジェクト目標の達成度 90% ### 問題3:目標達成のために自分が貢献した活動内容・役割 各目標に分けて貢献した活動内容と役割を説明する。 目標1について、4Qではプログラム1のブラッシュアップおよび整理とプログラム2担当部分の作成を行った。 以下にタスク毎に分けて説明する。 プログラム1の開発では、3Qで新規の開発は終了しており、作成したデータ/ファイルの整理が課題だった。 Google Driveに保存したVMイメージ/Dockerイメージ/PHPファイル(メンバー2作成)/imgファイル(OSバックアップ)の内容を確認し、 成果物として分類し保存しなおす作業を行った。 また、開発時作成した手順書ファイルをレビュー/改訂しファイルを完成させた。 目標2について、プログラム1/プログラム2の学内発表への対応を行った。 プログラム1は予稿作成/スライド作成/発表を実施した。 プログラム2はメンバー1の資料作成を支援し、発表を実施した 目標3について メンバーが報告をする時は中間成果物をモニターに映していただくよう働きかけた。 3Qと継続して日報を提出し日時で作業量を把握するとともに、可能な部分については随時分担を変更することでチームとして対応した。 これまでと異なり、再利用できる資料が増えたため作業の効率が向上している。 ブラッシュアップ時や仕上げを行う際に元のデータを作成したメンバーが対応することで、無理なく作業できた。 ### 問題4:自分が作成に係わった成果物 第4Qにおけるタスクは、プログラム1/2作成、およびプログラム1/2の発表である。 各タスクに分けて成果物を説明する。 【プログラム1開発】 ・プログラム1要件定義書 ・プログラム1開発環境OSイメージ ・プログラム1ソースコード 【プログラム1発表】 ・プログラム1説明スライド ・プログラム1説明ドキュメント 【プログラム2開発】 ・プログラム2要件定義書 ・プログラム2開発環境OSイメージ ・プログラム2ソースコード 【プログラム2発表】 ・プログラム2説明スライド ・プログラム2説明ドキュメント 【後期成果発表会準備】 ・展示パネル ・成果パネル ・プレゼン原稿 (作成後PMに引き渡し/PMがそれをもとに改訂) ・パネル展示説明原稿 (メンバー1作成分をレビュー/改訂) ・プログラム1/2デモ動画 ・想定問答集 (30パターン程度) ### 問題5:当Qの活動のハイライト(詳細に) 4Qのハイライトはプログラム1/2開発と後期成果発表会準備である。 【プログラム1/2開発】 プログラム1/2の開発から開発環境、動作環境のOSイメージ出力、動作確認まで実施した。 使用した言語への理解が不十分ということもあり、非常に苦労したがメンバーの協力でなんとか乗り越えることができた。 特にメンバー1が発生した問題と対応をBacklogのWikiに都度書き込んでくれたのは、効率の面で非常に良かったと思う。 成果物1については~~~という視点から~~~という仕様に変更しており、これはメンバー2の検証結果が良好だったために~~~ とにかくがんばった。 【最終成果報告会】 最終成果報告会はPMがタスクリーダーを務め、サブPMとともに作業を主導し、進行管理とスライド作成/発表練習などを行った。 私は、成果/展示パネル及びデモ動画の作成、PMの支援として発表後半部分のプレゼン原稿案の作成を行った。 それ以外には、メンバー1の作成した展示パネル説明原稿のレビューと改訂、 ブースに設定するデモ機の設定や品物の発送など発表会当日の活動を支援した。 この作業の中で動画の作成と、動画を説明するための原稿作成が最も苦戦した。 まず、必要な部分を撮影するために適切な操作を行う必要があり、 また字幕を追加する/効果を追加する/説明用の原稿を用意するなど当初予想していなかった作業が発生し、 動画ファイルの完成が前々日の正午近くになりメンバーに迷惑をかけてしまった。 ### 問題6:プロジェクト活動を通して向上したコンピテンシー 2019年度プロジェクト説明書のPBL説明欄部分に記載されているコンピテンシーのうち、4Qで向上したコンピテンシー以下である。 【コミュニケーション】 ・システム提案・ネゴシエーション・説得 ・ドキュメンテーション 成果発表会スライド作成/発表を通じてドキュメンテーション能力が向上し、学術的な場での発表資料を作成することができた。 1月にはプログラム2の説明資料作成を行ったが、 プログラム1に関する作業で得た知識をもとに進めたため比較的順調にすすめることができた。 【チーム活動】 ・リーダーシップ・マネジメント ・ファシリテーション・調整 4QではチームにサブPMとして参加した。 PMを支援するため、副次的なタスクや調整を実施しチーム運営が円滑に行われるよう務めた。 ### 問題7:プロジェクト活動を通して得られたこと 夏休み~3Qの開発を通じて、各種仮想化ツールを使用して検証環境を構築する技術を身に着けることができた。 3Q/4QのS発表会対応では、説明書/スライドなど学術的なコンテンツを作成する知見を得ることができた。 特に、スライド作成の方法を知ることができたことは意義が大きいと感じている。 ### 問題8:メンバの相互評価 #### メンバ氏名の入力 - メンバ1の氏名: - メンバ2の氏名: - メンバ3の氏名: - メンバ4の氏名: - メンバ5の氏名: #### 役割分担(チーム内での役割を果たしたか) - 自分 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ1 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ2 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ3 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ4 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ5 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し #### チームメンバとしての当事者意識を持っているか(自分の役割を精力的に推進し,チーム全体を牽引したか) - 自分 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ1 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ2 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ3 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ4 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ5 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し #### コミュニケーション(チーム内での自分の考えを相手に伝え,相手の考えを聞いたか) - 自分 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ1 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ2 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ3 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ4 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ5 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し #### ネゴシエーション(チーム外とのコミュニケーション・ネゴシエーションが適切に行えたか) - 自分 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ1 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ2 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ3 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ4 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し - メンバ5 - 1.問題あり2.<<3.期待通り4.<<5.優れている6.該当無し ### 自由記述欄 1年間ありがとうございました
補足
感想
「プロジェクト目標」「成果物」「メンバー評価」については、あまり苦労しません。
それ以外の部分は週報その他に再利用できる部分が少ないため時間を取られます。
提出直前の2時間で書くこともできますが、かなり危険です。
時計とにらめっこしながら、内容を考える、15分前まで推敲を繰り返す、などなど。
心臓に悪いですし、落ち着いて誤字脱字を修正することもできません(体験談)。
できれば締め切りの一週間くらい前に下書き終わらせておきましょう。
提出しない、提出が遅れるなどは論外です(タッチの差で提出が遅れた同級生を知っている)。
AIIT(産業技術大学院大学)について
AIIT(産業技術大学院大学)とPBL型教育について詳しくは、大学ホームページをご参照ください。