【学問のすすめ】中世ヨーロッパ写字生のように黙って静かに手を動かすブログ

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【AIIT】PBLの夏休み:乱れた生活リズムとプロジェクトの立て直し



AIIT(産業技術大学院大学)PBL活動の夏休みに、前期の活動で乱れた生活リズムとプロジェクトを立て直す方法を説明します。

PBL活動では、研究室単位で3名~7名のチームを組みプロジェクトを遂行します。
例年4月-8月が前半学期、8月-10月が夏休み、10月-2月が後半学期になります。 今回は、前期成果報告会までで疲弊し乱れた生活リズムと、思うように進まないプロジェクト運営を立て直す方法をまとめました。

所属PBL

私が参加したPBL(研究室)は以下です。 まとめた内容は私が参加した範囲で見聞きしたものです。状況は年度やメンバーより大きく異なります

乱れた生活リズムの立て直し



PBLはかなりの時間がかかります、そのため前期成果発表会にたどり着いた時点で相当に生活リズムが乱れます。 ここでは生活リズムの乱れにより発生する症状、および原因と対処を說明します。

前半学期終了時点で発生する症状

前半学期終了時点で発生する症状としては、以下があります(実体験 & 伝聞情報)。


  • 全く集中できない
    • パソコンを前にして3時間なにもせずに固まってしまう
    • 資料を読み込もうとて目の前に出しても頭に入らない
    • 日曜日に無料マンガを3時間くらい読み続けてしまう
  • 常時頭痛がする
    • 平日休日問わず頭痛が慢性化する
    • 思考力が低下しいつも放心しているような感覚を覚える
    • 症状が軽いと「今日は比較的意識がはっきりしているので大丈夫です」などと言い出す
  • 食事時間が削られる
    • 気持ちの面で余裕がなくなり食事をちゃんと摂ろうという気力が失われる
    • 夕飯がカップになる
    • 「後で食べよう」と思ったまま結局23時以降にパソコンの前でご飯を食べる
  • 寝落ちが常態化する
    • 深夜作業中にパソコンの前で寝落ちするようになる
    • ベッドに移動しても電気を点けたまま寝てしまい、十分に睡眠が取れない
  • 胃もたれがする
    • 睡眠不足かプレッシャーか胃もたれが常態化する
    • 胃が受け付けずお昼ごはんを完食できなくなる
  • 早朝に目が覚める
    • よく眠れていないのに早朝(4時とか)に目が覚めるようになる
    • 二度寝しても6時くらいに目が覚めてしまい睡眠時間が削られる
  • 蕁麻疹(じんましん)が出る
    • 2日~3日続く(少し休んだら治った)


カップ麺の部分は伝聞情報ですが、それ以外はすべて実体験です。
ほとんど睡眠不足と思考力の低下が理由なのは明らかですが、当事者は気がつけません。

原因と対処

原因と学期中の対処としては以下になります。


  • 原因1:睡眠不足
    • 深夜作業をしてもまともなクオリティの成果物はできません
    • 対処方法は、すぐに着替えて電気を消して眠ることです
    • 精神が張り詰めていると何もしなくても早朝に目が覚めます
    • 早朝の作業でも十分に間に合います(体験談)、睡眠時間を最優先で確保することをおすすめします
  • 原因2:食事への配慮が不足
    • 余裕がなくなってくると深夜に食事を摂ったりパソコンの前で食事を摂るようになります
    • この食べ方をしても身体面でも心理面でも回復は望めません
    • 対処方法は、無理をしてでも早い時間に外食をすることです(体験談)

夏休み中の対処

夏休み中の対処は以下です。


  • 原因1:睡眠不足
    • 基本的なことではありますが、夏休み中は早寝早起きと規則正しい生活を送ります
    • そのために作業量や締切は、前期の作業の速度に対して1,5倍〜2倍程度で定めます
    • 早ければ2日〜3日、遅くとも1週間程度で体調と思考力が回復します
  • 原因2:食事への配慮が不足
    • 睡眠不足が解消されれば、食事への配慮は自然と改善されます
    • 対処方法は「原因1:睡眠不足」と同じです

思うように進まないプロジェクト運営の立て直し



PBLはほとんどのメンバーにとって、初見のプロジェクト内容と形式になります。
メンバーとのコミュニケーション、運営、進行とも相当の苦戦を強いられます。 ここでは、前半学期終了時点でプロジェクト運営にありがちな問題と夏休みを使った立て直し方法を說明します。

前半学期終了時点でありがちなプロジェクト運営の問題

前半学期終了時点で発生するプロジェクト運営上の問題としては以下があります。


  • タスクの遅れ
    • 前期成果発表会ではそれっぽく說明しますが、どのチームも大抵タスクの処理が遅れています
  • 成果物ができていない
    • 前半学期で予定していた成果物が実はできていない
    • 予定していた範囲を大幅に下回るクオリティと規模に達していない
  • 後半学期の予定ができていない
    • 前半学期が予定通りではないため後半学期の予定を組み直さないといけない
  • 今ひとつメンバーの仲が良くない
    • 喧嘩をするほどではないものの、どうも仲がよろしくない
    • 率直に話せていないような気がする
  • メンバー間で連絡が取りにくい
    • メンバー間で連絡が取りにくい
    • メールやチャットで連絡してもなかなか返信が来ない
  • プロジェクト運営が迷走
    • 何を目指していたのかわからなくなった
    • PBLは何かを開発するのだったか、調査するのだったか、研究するのだったか??
    • 自分たちはPBLで何したかったんだっけ???

夏休みを使ったタスクとスケジュールの立て直し

後半学期は、3Qに最後の追い込み、4Qに成果物の取りまとめと外部への発表、最終成果報告会の準備となります。 つまり、4Qに開発を行う時間はありません
開発に関する作業は夏休みと3Qに完了させる必要があります。それを踏まえた上で夏休み中に行う作業は以下になります。


  • スケジュールの組み直し
    • 前半学期の残タスクをリストアップし、夏休み中に行うべきタスクと諦めるタスクを仕分けます
    • 開発を行う場合、必要な技術の習得にはそれなりの時間がかかるため最優先で行うことをお勧めします
  • 後半学期の活動計画を策定
    • スケジュールの組み直しと同時に後半学期の活動計画を作成します
    • この場合、夏休みと3Qは同じものと考えて問題ありません
  • プロジェクト計画書の改訂
    • この時期までの進捗を元にスケジュールを組み直すため、このタイミングでプロジェクト計画書を改訂する必要があります
    • 夏休みと3Qあわせて4.5ヶ月程度しかありません
    • 前半学期までの実績から可能/不可能を見極めプロジェクトの範囲や目的を変更しないと運営が立ち行かなくなります


スケジュールを組み直す際のコツは、最低限行わなければならないことを余裕をもって計画することです。
プロジェクトの運営を立て直すとともに、メンバーの乱れた生活リズムと体調を回復させる必要があります。 前半学期ど同レベルの密度でタスクを積み上げるとメンバーが倒れます(経験からそう実感しています)。

夏休みを使ったメンバー関係の立て直し

メンバーの関係の立て直しで夏休み中にできそうなことは以下です。
(参考程度の伝聞情報です。実際にやったわけではありません。)


  • メンバーの仲があまりよくない
    • 週1回〜2週に1回程度は顔を合わせるようにします
    • 仲が良くない状態でメール/チャットのみで連絡をしようとすると返信がもらえず悩むことになります
    • メンバーの関係を根本的に改善する方法はありません。最低限ケンカをしないよう配慮することが良いかと思います。
  • メンバー間で連絡が取りにくい
    • 「仲があまりよくない」場合と同様に顔をあわせるようにします
    • 夏休みは始まる前に全員の電話番号をリストします
    • メールやチャットで反応が欲しい場合はPMが電話します。するとほぼ確実に連絡をもらうことができます(体験談)。

補足

PBL科目の夏休みについて

学年暦上は夏休みが設定されていますが、PBL履修生には実質的には夏休みはないも同然です。 残り時間と積み残しのタスク、迷走するプロジェクトへのプレッシャーで作業をせずにはいられません。2019年度で私の知っている範囲では、どのチームも程度はともかく活動をしていました

AIIT(産業技術大学院大学)について

AIIT(産業技術大学院大学)とPBL教育について詳しくは、大学ホームページをご参照ください。

aiit.ac.jp